昨年7月の卒業設計講評会からはや半年、選抜講評会をむかえて、8講座からは私を含め4名が改めて発表する機会を得ました。
学内の1位である六美賞には、4講座の安田さんが選ばれました。
実質的には卒業論文の発表をしてからの約2週間で案の見直し・図面の変更・表現のブラッシュアップ・新たな模型作り…をこなすこととなり、作業場は大いに殺伐とした空気になることもありました。
今年は発表の前に展示の時間が設けられ、審査員の方々に理解を深めていただくことができました。講評やその後の懇親会を通じて、審査員の方に7月とはまた違う視点でのご意見をいただいて議論したり、こちらから疑問をぶつけたりと楽しい時間でした。
もしかして設計を仕事にすることはないかもしれないけれど、だからこそ、選抜というチャンスをいただいて過ごしたこの時間はとても貴重でした。
個人的に、卒業設計では「デザインという行為を通して人と関わる」ことを実感したいと考えていました。私はもとはといえば何の縁もなかった場所を敷地に設定しました。こうした場所での調査そして設計・制作というのは、よそものが突然土足でずかずか上がり込んで主張をはじめることに似た厚かましいものでしょう。ですから、幸運にも現地で発表する機会を得て、制作した模型やスケッチを携えて訪れた時、その模型を前にして地元の方が色々と質問してくださったり昔の思い出話を聞かせてくださったりしたことは本当にうれしかったです。単に現地を訪ねただけではできない話、見られない表情、築けない関係が沢山あったと思うのです。設計自体は非常に未熟でしたが、デザインという一連の行為の持つ力を感じました。
最後に、卒業設計にあたり関わっていただいた全ての方に感謝いたします。ありがとうございました。
B4 吉水
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