宮城俊作先生(設計組織PLACEMEDIA パートナー・奈良女子大学大学院住環境学専攻教授)にお越しいただき、2016年12月5日〜12月7日の3日間で、特別講義、講評会を行いました。
講評会にはM1、M2、D1計14人が参加し、特別講義には学年関係なく多くの生徒が参加しました。
宮城先生はランドスケープアーキテクトとして第一線でご活躍されておられ、学問、実務ともに輝かしい経歴をお持ちの方です。
講評会では、修士1年の前期課題であった、創成川エリアを対象とした設計演習の発展授業として位置づけ、『ヴォイドのプログラミング』というタイトルで具体的なモノの形として提案しました。
非建築的手法による街の再構成、地と図の表裏の関係性、インフラとしてのヴォイド…
シンプルなタイトルに隠された、含蓄に富んだ課題主旨に皆頭を悩ませたものの、普段ではなかなか得られないランドスケープ的な視点に立って行われた講評はとても新鮮で有意義なものでした。
私、駒井が参加していた班では、デザインコードによる手法を提案したのですが、コードとエレメントという似て非なる二つの定義が入り交じっているという指摘を頂き、半年間思い悩んでいた事を一瞬で解決してもらい、感銘を受けました(私事で申し訳ありません)。
講義は計4回行われ、それぞれのタイトルは以下の通りです。
第1回…『京都盆地における山水構造の自己相似性』
第2回…『都市インフラとしてのランドスケープ』
第3回…『震災復興とランドスケープアーキテクトの役割』
第4回…『庭と風景のあいだ〜景観のスケールとデザイナーの立ち位置〜』
講義を聴いて感じた事は、建築とは時間の扱い方、さらに言えば、経年に対する感覚が随分と違うなと感じました。一般に、建築は竣工時がそれらのピークであるのに対して、ランドスケープは熟成していくものであるという捉え方をします。借景により山をも扱うこの分野では説明の時に使用する地図のスケールが広く、地勢という建築ではあまり扱わない概念は聞いていて新鮮でした。
2日目の夜には懇親会が開かれ、途中手配していたケータリングが届かないというミスもありましたが、懐の深い宮城先生のお陰で楽しい懇親会となりました。
3日間でランドスケープについて、多くの事を考えさせられました。すこし時間を置いて、またゆっくり整理する必要がありそうですね。
3日という短い期間にこれだけランドスケープについて深く考えさせてくれた先生には感謝しかありません。ありがとうございました。
M1駒井
宮城先生による山水の自己相似性に関する講義 2日目の夜に行われた懇親会
第1回課題講評 最終課題講評
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