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輪読会#4:孤立と住宅 2020年11月5日

更新日:2023年2月20日


 

今年度第4回目の輪読会を開催しました。

後期がはじまり、札幌もついに初雪を迎えました。

今回の輪読会には都市地域デザイン学研究室の寺嶋くん、佐々木くんも参加してくれました。

今回のテーマは「孤立と住宅」で、下記の題材をもとに意見を交わしました。

田中 正人, 高橋 知香子, 上野 易弘:災害復興公営住宅における「孤独死」の発生実態と居住環境の関係―阪神・淡路大震災の事例を通して(2009)

RT Documentary: Dying Alone: Kodokushi, Japan's epidemic of isolation through the eyes of a 'lonely death' cleaner (2019)

今回のドキュメンタリーは「孤独死」が起きている社会の実情を映しており、問題の様相を実感することができたと思います。田中先生の論文では「一人での死亡」と「孤立した状態で一人での死亡」を明確に区別しており、「孤立した状態」を生み出してしまった建築の現状と改善の方法について言及していました。

議論の内容は大きくは下記の3つにまとまりました。

・自ら繋がりを求める人間の能動的活力の重要性

人との繋がりを持続できる住まい方を個々人が能動的に身につけておく必要がある。

・建築単体だけではなく多様な居場所をまちの町につくること

コンビニや飲食店などが高齢者の居場所になっており、文化施設もそうなるべきではないか。単なる多くの利用者の一人ではなく、スタッフに「〇〇さん」として認知されているような状態が理想的。

・「孤独を感じる人々」の社会生活上最後のセイフティネットである住居のつくり方

「社会に接続することができない人々」が、唯一「〇〇さん」として認知される場所が住居ではないか。工夫がみられる事例として、釜石市大町復興住宅があげられた。

人だけでなく、「町の孤独死」といった問題提起もありました。他講座の学生がいたことで話の幅も広がったと思います。今後も様々な人の参加を8講座はお待ちしております。

M2 安間


議論の様子

(photo by 大沼)

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