札幌駅前通地下歩行空間にて、「ユニバーサルデザインはどこに向かうのか─北海道の取り組み事例から考える─」と題し、ユニバーサルデザインについての公開研究会が行われました。僕らの研究室の専門研究員でいらっしゃる堀さんも登壇いたしました。
堀さんの発表は、「ユニバーサルデザインの現在─中途障害者となった設計者の反省的実践論─」というタイトルで、設計者と障害者の双方の視座を持ったリアリティに迫る内容であり、非常に刺激的でした。
特に象徴的だったのが、ユニバーサルデザインとバリアフリーの論文数の推移です。2000年代をピークにし、現在は下火になりつつあるユニバーサルデザイン・バリアフリーの議論の実態が明らかになりました。学会の問題意識がいかに希薄化しているか、そしてその事実がどれほど重要な問題であるかを認識させられました。
今回の研究会で強く感じたのは、ユニバーサルデザインというのは、個々のデザインの善し悪しではなく、個々が集まった総体として、つまりユニバーサルな環境(人間も含めた)であるかどうかの問題として議論すべきということです。ひとつひとつはオーダーメイドであってしかるべきで、それが集まったときに「design for all」を実現できるかどうか。また、そのために自分に何ができるのか。自分の信念が強く問われました。
M1 坪内
討論の様子。
白熱した議論でしたが、 2時間半の長丁場を 地下でじっとしているのは寒さに身がこたえました。
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