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小泉地区滞在 2020年3月11日

更新日:2023年2月20日


 

東日本大震災から9年が経過した気仙沼市小泉地区を訪問してきましたので報告いたします。

今回の滞在では、移転地の周辺で起きた大きな変化を体感することができました。

①国道の開通

新しい国道が開通しました。この国道は東北地方の主要道路で、かつての小泉地区はこの国道とダイレクトに接していました。移転地はこの国道から離れたところに立地することになり、利便性の低下や生活基盤の脆弱化が懸念されていました。

新しくできた国道には、かつての地区と国道の接点付近に防潮堤を越える高さの橋が架かっており、もともとの道路と新しくできた橋にはかなりの高低差があります。そのため、橋までのアプローチ道路はある程度の長さを持った盛り土されたものが必要でした。実際に体感してみると、これらの存在感が予想以上に大きく、残念ながら地区へのアクセスが遠く感じられるものになっていました。実際、国道から地区にアクセスする際には、高低差を処理するために道路を折り返す必要があります。



BRTバス停の更新

BRTのバス停の場所が更新されました。小泉地区付近ではBRTはこれまでは道路を走っていましたが、最近になって鉄道線の跡地の工事が進み、今後は専用道を走ることになりました。ただ、更新されたバス停は盛り土された国道にちょうど阻まれたような地点にあり、新しいバス停へのアクセスも、国道整備によってやや不便になっているように感じられました。



③移転地までの歩道整備

移転地の周りの道路では、歩道が整備されていました。もともと、この道路は農道だったのですが、新しく移転地ができて道路の機能や交通量が変化したことを考慮し、道路を拡張した上で歩道が整備されることになりました。



さらに、滞在後に住民の方々で移転地の公園の角に桜の樹の植樹を実施されたことを後から伺いました。昨年、地区の自治組織である振興会で、過去に寄附のあった桜の木をどこに植えるかという話し合いが具体的に始まりつつあることを伺っていました(2019年7月20日時のブログ参照)。移転地に住む多くの方々は、移転地に木があると良いとかねてよりおっしゃっていたので、今回、植樹が実現されたということでとても嬉しく思いました。ちなみに、僕が滞在した際には、植樹のための穴掘りがされていました。



被災から10年目を迎え、復興事業も総仕上げを迎えつつあります。今回の滞在では、移転地に限らず周辺の変化も含めて、より広い視野でコミュニティ移転を捉えていく必要性を感じました。引き続き微力ながら見守っていきたいと思います。

なお、今回の滞在は、新型コロナウイルスの感染拡大に配慮し、住民の方との接触は避け、地区の現状を目視で確認することに留めました。改めて地区を訪れた際には、植樹の話題も含めて住民の方々にお話を伺いたいです。

D4 坪内

小泉海岸で凧揚げする子ども(2020.03.12)

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